大相撲九州場所総括(照ノ富士全勝)
昨日のうちに照ノ富士の優勝は決まったけれど、千秋楽の土俵も面白かったです。
注目の結びの一番、貴景勝の立ち合いを受け止めた照ノ富士の足腰は安定したまま。一瞬、押し込まれるところもあったけど余裕で残した感じで、まさに横綱相撲。
納得の全勝でした。
15日間通して照ノ富士の相撲は、相手に攻めさせながら(「攻められている」のではなく「攻めさせている」と見えました。)、しっかり受け止めて前に出るから強い。
これは過去のモンゴル横綱にもなかった感じです。
ちょっと自分なりに比べてみると、
・朝青龍:相手を切っては投げ捨てる感じ。圧倒的攻めの強さ。
・白鵬 :記録は別にして、取り口はかわして受け流す負けない相撲。
・日馬富士:立ち合いに集中。破壊力はあるけどかわされることも。
・鶴竜:若い頃はもろ差し速攻相撲が、晩年は引き、かわしの相撲に。
大別すると攻めの朝青龍、日馬富士とかわしの白鵬、鶴竜といった具合でしょうか。
それに比べて、照ノ富士はしっかり受けとめてはね返すタイプで、私の抱く横綱像に一番近い感じです。
「不動心を心がけ、横綱の品格、力量の向上に努めます」
まさに名横綱への道を歩き始めたように見えます
そして今場所もう一つ特筆すべきは、幕内の休場者が朝乃山以外いなかったことです。初日、急遽腰痛で休場した栃ノ心も5日目から出場しました。
ここ最近は休場者が相次ぎ、ちょっと白けムードもあったから、この変化は嬉しいことでした。
まだまだコロナによるけいこ不足はあるけれど、みんな元気に土俵に上がっていることが何よりです。
照ノ富士時代の始まりと言われているけれど、2022年はきっと他の力士の巻き返しもあるでしょう。新時代到来も予感され、これからの熱戦にも期待大です。
2年ぶりにライブ観戦もできたし、とにかく楽しい15日間でした。